
主体性を育む?差別感が生まれる?
問われる学級委員の是非
学級委員とは、小・中・高等学校の学級における役職である。割り当てられる仕事は、学級会などの司会進行や授業時の号令かけ、集会時の点呼などだ。人数は1名であったり多いところでは4名ほど置かれ、一般的には立候補や推薦から決められた候補者の中から投票などによって選出される。男女共学の場合はそれぞれから一人ずつ選ばれることが多い。
呼び方は、クラス委員、級長、クラス代表など様々。また、クラスの代表と位置づけられたり、図書委員や保健委員といった他の委員と同格とされたりと、各学校によってその立場も異なる。
学級会や通年行事など人前に立つ場面が多く、積極的に周囲を引っ張る力が求められる学級委員。彼らには自然と信頼が集まり、クラス全体に学級委員を支えようとの仲間意識が生まれるという。
昨今の学生の傾向について「素直で真面目だが、自主的な行動が少なく物静か」との見方もある。そこで、生徒たちに主体性を持たせるためにも皆をまとめる学級委員の存在が役立つと見直されているのだ。さらに、仲間と協力して問題を解決する中で人間関係の築き方を学び、社会性を身につけることも期待されている。
一方、「役職を設けることで格差が生まれ、いじめの原因ともなる」などの意見も多く出されている。“学級委員=真面目”とのイメージがあるため当人がからかいの対象となったり、それ以外の生徒についても、クラスの中心に加われなければ疎外される恐れがあるという。他にも、学級委員を決めるのは人気投票に似た要素があるため、選出されなかった生徒が抱く劣等感にも配慮すべきだと言うのだ。
また、個人主義が広がった今、学級委員を置いたとしても、その生徒を中心にクラスが一つになるとは限らないとの声も挙がっている。
このように、生徒たちの自主性を育てるべきという意見と平等を求める声との間で、学校側はジレンマに陥っている。文部科学省によると、学級委員を置く決まりはなく各学校に判断を委ねているというが、生徒の差別感をなくすため学級委員を廃止する学校は少なくない。そして代わりに「代表委員」を設置し、あくまで一つの委員とするところも最近では多いようだ。
しかし、その中で学級委員を復活させた学校もある。横並びでは生徒の主体性が薄れるとの見方から復活に踏み切ったという。これに続く学校が現れるかどうかは今後の動向次第であり、大いに注目したいところだ。
私たちは学級委員について様々な見解を述べ、設置や廃止などの決定を下している。しかし、何より当事者である生徒たちに問うことも忘れてはならない。それこそが彼らの権利を重視し、自主性を伸ばすことにつながるからだ。
大人が取り決めたことが生徒たちの成長過程に何らかの影響を与えると意識し、彼らの個性が伸ばせる環境づくりを行うことが最も重要だろう。