
竹原 まずは高山社長の歩みから。
高山 出身は長崎で、大手建設会社への就職を機に上京してきました。その会社では全国各地で地下鉄工事を手掛けたほか、インドネシアでの高速道路建設にも携わるなど国内外の様々な事業に従事したんですよ。そして、その後は本社に戻って役員を務めていたのですが、平成元年に会社の新規事業で遊休地を活用したフィットネスクラブが立ち上げられることになりまして。その責任者を任されたことがきっかけで健康産業に携わるようになりました。
竹原 会社の事業の一環とは言え、全く経験のない分野ですよね。抵抗感などはなかったのですか。
高山 そうですね。私自身、高校まで柔道をしていましたのでスポーツには親しみがありましたし、気持ちも新たに各地のフィットネスクラブを回り、一から勉強していきました。そしてフィットネスクラブを立ち上げるにあたって一旦会社を退職し、新会社を設立。幸い事業は軌道に乗り、地域に密着した施設として多くの方からご利用頂けるようになりました。さらに平成5年からは地域密着型のフィットネスクラブ「山口シヅエガーデン」の運営も任されるようになりましてね。そうしてフィットネスクラブの運営に携わる中で次第に「地域における健康づくり」に深い興味を抱くようになり、「これが私の一生の仕事ではないか」という思いが芽生えてきたんです。そのころから独立に向けて少しずつ準備をはじめ、私自身も氣功を習うなどしながら健康産業に対する見識を一層深めていったのですよ。ところが、『ナレッジ』設立を目前に控えた同12年に、本体の建設会社の要請で再び役員として戻ることに。そこで、暫定的に会社を立ち上げて妻に代表職を任せ、私は同18年より『ナレッジ』の代表職に就きました。
竹原 では、現在の主な業務内容を。
高山 「人と地球の健康づくり」をテーマに、先ほど申し上げた「山口シヅエガーデン」の運営や「SEV」「ナレッジ・ボックス」といった健康関連商品の販売、さらには健康関連産業のコンサルティングなども手掛けています。また、個人的には「山口シヅエガーデン」にて氣功教室の講師も務めているんですよ。
竹原 あらゆる角度から健康産業に携わっておられるようですが、その中でも大切になさっていることは何でしょう?
高山 地域密着です。昨今ではメタボ健診が始まった影響などもあり、健康に対する人々の意識はどんどん高まっています。しかし特定健診後の食事指導はできても、適切な運動指導ができる指導者はまだまだ少ないのが現状。また、どの地域にも体育館など様々なスポーツ施設がありますが、その全てが有効的に活用されているわけではありません。だからこそ当社が地域における健康づくりの核となり、適切な運動指導や施設の有効活用といった面で一肌脱げればと考えているんです。私どもは厚生労働大臣より健康増進施設の認定を受けているのですが、現在は全国で認定を受けている約330の施設と「健康増進施設連絡会」を形成し、連絡会を特定保健事業の核とするべく動いているところなんですよ。
竹原 なるほど。地域に根差して活動することで、地域における健康づくりに寄与していこうということですね。
高山 ええ。けれども、運動をしたいという思いはあっても目的がなければなかなか続かないものでしょう。それに毎日運動していても、「やらされている」との感覚では効果が得られません。だからこそ私は、誰でも楽しみながら運動できる環境を用意し、「あそこに行けば誰かがいる」という場所を作りたいんです。それなら友達に会えるといった楽しみも増えて長く続けられるでしょうからね。そうして皆様が少しでも楽しく運動できるようにサポートするのが、我々の責務だと考えています。
竹原 スタッフの方々には普段、どのようなことをおっしゃっていますか。
高山 マニュアル通りの画一的な指導をするのではなく、お客様一人ひとりに合わせた対応をしてほしいということですね。同じ運動をしている人でも、運動を始めた目的や取り組み方はそれぞれ異なりますから、その違いを見極めなければ適切な運動指導はできないのですよ。そこで私はスタッフに、人間やほ乳類などの動物が先天的に持つ行動特性の“氣質”を統計的に分類してコミュニケーションに役立てるように開発した「氣質論」を身に付けるように指導しています。この理論をマスターすることで、誰でも相手の氣質に合わせてコミュニケーションを取れるようになり、ひいてはそれが適切な運動指導にもつながるのです。
竹原 それでは最後に、今後の夢を。
高山 まずは『ナレッジ』を地域における健康づくりの核となる存在にすることです。そして、当社の活動を通じて地域の皆様に元気を与え、笑顔溢れる豊かな社会づくりに寄与できれば、これ以上の幸せはありません。その実現に向けて他の健康増進施設やスタッフと力を合わせ、一層業務に邁進していく所存です。

▼62歳を迎えたとは思えないほど、対談でバイタリティーに満ち溢れた姿を見せてくれた『ナレッジ』の高山社長。そんな社長の元気の秘訣とは一体何か。それは、健康産業への参入を決意した際、自らも健康に対する見識を深めるべく習い始めた氣功だという。
▼社長は、氣功を始めるにあたって本場・中国まで出向き、本格的な技術を習得した。以来、毎年のように中国に出掛け、鍛錬に励んできたのだとか。その腕前は評判で、現在はNPO法人「日本一指禅功研究会」の副理事長として「山口シヅエガーデン」内で氣功の指導を行っており、毎週1回、地域の人々とともに汗を流しているという。社長は「氣功を通して元気になった、体調が良くなったという声を聞くことが何よりの喜びです」と語る。
▼そんな社長に将来の夢を尋ねると「環境の良い場所に氣功道場をつくり、毎日仲間たちと一緒に楽しみながら氣功を続けていくこと。そして同時に氣功の後継者を育てることです。氣功を伝承するためには継承者にもかなり高いレベルが要求されますが、それを乗り越えることができる強い人を育てていきたい」と話してくれた。その実現に向け、社長は今もなお日々の鍛錬に余念がないという。
▼『ナレッジ』の経営者として地域の健康づくりに寄与するだけでなく、指導者としても人々の健康を支えている社長はその溌剌とした姿で、これからも人々に元気を与えてくれるに違いない。