布川 「RAサービス」は、自動車部品の品質管理代行サービスを手掛けておられるそうですね。不勉強で申し訳ありませんが、品質管理代行サービスとは?
金谷(佳) 製造業全般に通じることなのですが、部品の製造は、いくら万全を期していても人の手による仕事ですから、大量の部品の中には不具合が生じるものがいくつか出てきます。工場側はそれを見つけると、部品製造業者に部品の見なおしを指示するんですよ。これまで自動車工場では、使われる部品の仕入れ先がある程度決まっていたところが多いのですが、近年の市場競争の激化、コスト削減の動きによって価格の安い業者から調達するようになっています。取引先がある程度決まっていたころは、自動車工場の近くに部品供給業者があり、部品の修理や交換などの作業も比較的迅速にできました。しかし現在では、全国各地に部品業者が散らばっていることも少なくないため、品質管理に時間とコストがかかるようになったのです。そこで私どもが部品の供給先である工場に出向き、部品製造業者に代わって部品の選別や修正を行っているんですよ。
布川 なるほど。社長は長くこの業界におられるのですか。
金谷(佳) はい。前職は同業他社におり、経験を積ませていただきました。ただ、企業規模が大きくなると、どうしても現場の声が組織の上層部に届きにくくなってしまいます。私が働いていた会社でも、お客様と直接接する現場の声がなかなか反映されず、文字通りの意味での顧客第一主義が実現できていないと感じるようになり、独立を意識したんです。
2005年F1日本グランプリに出かけた時、喫煙ルームで本田技研工業の前社長・吉野浩行氏の姿を見かけ、お話する機会がありました。私が携わる仕事をご説明すると、「面白い仕事だ」と言ってくださいましてね。また、他のメーカーの方からは「独立するなら応援するよ」と声をかけていただきました。不安や迷いもありましたが、いろいろと考え、独立を決心したのです。
布川 金谷取締役と梅津監査役とはどういったきっかけで出会われたのですか。
金谷(佳) 金谷取締役とは兄弟なんです。そして、埼玉での起業を決めて準備に動いていたとき、偶然出会ったのが梅津監査役。二人がいてくれたお陰で現在があるのだと、感謝しています。
布川 スタートされていかがですか。
金谷(佳) 私どもの存在を認めていただけるまでの1ヶ月ほどの間は、正直申しまして不安でしたね(笑)。この仕事の有用性や将来性をディーラー勤務の従兄弟に説明するのもなかなか難しく、国民金融公庫(現・国民生活金融公庫)の融資を受ける際も、審査担当者に何度か説明しなくてはならなくて、ハローワークに登録する時にも該当業種がなく、“その他”扱いになったりしたくらいなんですよ。
布川 特殊なお仕事なのですね。それでは、顧客の開拓にも苦労されたのでは?
金谷(佳) 人と人とのつながりの強い分野ですし、私どもに仕事を託してくださる方は皆さん、同様の課題を抱えて、なんとかクリアしたいと悩んでおられます。ですから一度仕事をさせていただければ私どもの仕事を理解してくださるでしょうし、さらに結果を出せばそれが次につながります。実際に、仕事をさせていただいた方から新しいお客様をご紹介いただくこともありましたし、その場で次の仕事をいただけることもあります。そういった蓄積が現在につながっているのです。現時点ではメーカーや現場の声をできる限り反映した業務に努めていますが、今後は一般のユーザーの方々の声も拾い上げたいと考えています。
布川 現場主義を徹底されていますね。では、今後の展望をお聞かせ下さい。
梅津 社長は、現場を熟知していなければ盤石の経営基盤は築けないと考えておられます。私どもの強みはそこにあるんです。今後も現場の目線を忘れず、現在のスタイルを維持していけば、必ず成長できるだろうと期待しています。
金谷(忠) 生き甲斐を感じられる職場づくりに努め、皆が安定した生活を送れるような企業になりたいですね。全員で様々なことを話し合える、互いの顔が見える企業でありたいと思います。
金谷(佳) さらに、お客様のニーズに応え、“痒いところに手が届く”ような業務を実現するため、社内全体のレベルアップに努めたいと考えています。 |