三ツ木 まずは、こちらの工務店を創業されるまでの小林社長の歩みから。
小林 私は1945年に茨城県水戸市で生まれました。中学生の時、先生から「君の性格は職人に向いている。もし職人を志すなら、棟梁になれ」と言っていただいたんです。それで棟梁になることを目指し、中学卒業後に千葉県柏市で大工の修業を開始しました。7年間修業を積んでから親方のもとを離れ、22歳の時、工務店を創業して独立した次第です。
三ツ木 何名で創業されたのですか。
小林 私一人です。ただ、創業から間もなく弟子を3人とりました。それから40年以上──その弟子たちは今も当社で共に頑張ってくれています。
三ツ木 「水戸工務店」さんの特徴とは?
小林 “手づくり”にこだわっていることです。私どもでは家は「売るもの」ではなく「つくるもの」だと考えています。私どもの役割は、お客様と協力して、“一生モノ”の家をつくるお手伝いをすること。ですから、お客様とのコミュニケーションはとても大切にしていますし、もちろん完成後のアフターフォローにも力を入れているんですよ。また、当社には営業スタッフはいませんので、一切営業活動はしていないんです。
三ツ木 営業活動をなさらないとなると、お客様は何をきっかけとしてこちらに家づくりを依頼されるのですか。
小林 当社の施工現場を実際にご覧になった方が依頼されることが多いですね。お客様は「この会社が建てている家はよそとは違う」と感じて訪ねてこられるようなんですよ。それから当社は「いい家をつくる会」という組織に所属しています。“「いい家」が欲しい。”という本を見て、当社に連絡をくださる方もいますね。
三ツ木 ではお仕事の上で、社長が大事にしておられることを教えてください。
小林 「正直」であることです。お客様に対して嘘やごまかしは絶対にいけません。また、媚びやお世辞なんかも、必要ないと考えています。なぜなら、私どもではいただくお金以上にお客様に満足感を提供する自信があります。実際に家づくりを見ていただければ、自ずと分かっていただけるはずだと信じています。
三ツ木 いただくお金以上に満足感を提供する自信がある──非常に頼もしいお言葉です。しかし一軒の家を完成させるまでにはご苦労も多いのでは?
小林 家づくりに関するどんなことも、苦労だと感じたことはありません。手を抜くことなくすべての作業を丁寧にしっかりと行うことは、当たり前のことなんですよ。私どもは当たり前のことを当たり前にやっているだけなんです。
三ツ木 なるほど。ところでこちらには40年以上働いておられる方がいるとのことでしたが、ほかに若いスタッフもいらっしゃるのでしょうか?
小林 20代も30代もいますよ。20代の女性の大工もいるんです。当社は国土交通省の支援でつくられた「大工育成塾」より、伝統の技術を教えるため、その女性が18歳の時から預かっています。
三ツ木 社長にお子さんはいらっしゃるのですか。
小林 はい。子どもは4人おりますが、長男と次男は当社で働いています。長男の嫁は一級建築士ですし、次男の嫁も当社で一緒に頑張ってくれているんですよ。私は家をつくっている会社にとって、一番の「罪」は倒産や廃業だと思っています。その会社に依頼して家を建てた方がメンテナンスを頼めなくなりますからね。その点、当社は順調に経営することができていますし、後継者もいます。私の引退後も当社は末永くお客様とお付き合いをすることが可能なんです。長くお客様とお付き合いさせていただけるよう、今後も頑張ります! |