吉沢 早速ですが、「ダイヤモンドヘッド」さんを立ち上げられるまでの、鈴木社長と小田専務の歩みをお伺いします。
鈴木 実は、私は一度高校を中退しているのですが、やはり勉強したいと思い、勤めながら定時制高校に通いました。そして卒業後の進路を、将来的に期待できるコンピュータ関連分野に定め、情報系の専門学校に進学したんです。
小田 私と鈴木社長は、その専門学校で共に学んだ仲間なんです。私は専門学校卒業後、大手人材派遣会社に就職しました。今日はあいにく外出していて不在ですが、常務取締役を務めている渡邊とは、そちらでの同僚だったんですよ。
鈴木 私は小さな企業に勤めました。はじめは何事も勉強なのだから頑張ろうと考えていたのですが、待遇面であまり良い環境ではなかったんです。そこで転職し、さらに経験を積ませていただきました。そちらを退職した頃、小田と会う機会があり、お互いに同じ目標を据えていることが分かり、共に頑張ろうと「ダイヤモンドヘッド」を設立しました。
吉沢 なるほど。お二人とも独立を目指しておられたのですね。
鈴木 そうなんです。ちょうどその頃1円の資金でも起業ができるようになりましたので、私どもも、持ち寄った資金で、マンションの一室から当社をスタートしたんです。現在の場所に移ったのは2年前のこと。お陰様で現在は、従業員数130名の大家族になりました。近々本店移転を計画しており、私自身も今後が楽しみなんですよ。
吉沢 それほど大きく飛躍された要因とは、どんなところだと思われますか。
鈴木 一般的に就職活動と言いますと、たいていの場合はベンチャー企業ではなく、大手企業からはじめるものです。当社は大手企業ではないため、優秀な人材を確保するのが難しいのではないかと考えました。そこで、一人ひとりに「私たちと一緒に頑張りませんか」と呼びかけ、「ベンチャー企業の性質上、将来の見通しが利かないこともあり得る。覚悟だけはしてほしい」とも伝えてきました。そして、仕事というのは金銭のためばかりではないとは思うのですが、頑張りが反映されるシステムをつくり、正当な評価を心がけてきたんです。そうやって従業員のモチベーションが維持できたことは要因の一つではないかと思います。
小田 当社の仕事は、技術者がメインです。社長も私も、技術者としての経験があり、現場で頑張る彼らの気持ちを察することができました。それはとても大きかったですね。技術者は自身のスキルアップに対する意識や意欲が高く、そういう部分も配慮して、働きやすい環境づくりに取り組んできたんですよ。
吉沢 経験者だからこそ実現できることですね。独立からこれまでを振り返られていかがですか。
鈴木 最初は給料がなく、苦労もしました(笑)。しかし今、これだけ多くの人が「ダイヤモンドヘッド」を支えてくれる──本当にありがたいですね。私どもが誇りに思っているのは、設立からのおよそ3年間に、ただの1人も離職者が出なかったこと。4年目には残念ながら、家庭の事情があってやむなく退職した者がおりましたが、離職率が低いことは、当社の従業員に対する取り組みが間違っていなかったということ。嬉しいですね。
吉沢 素晴らしい。ただ、従業員が多いと、一人ひとりとコミュニケーションを図るのが難しくなるのでは? その点はいかがお考えですか。
鈴木 確かに、以前は全社でまとまるという感じだったのが、今では部署ごとに意思統一を図るようになりました。ただ、イベントなどは全社で行っているんですよ。やはり従業員たちと可能な限りコミュニケーションを取る機会だけは大切にしたいと思うんです。
吉沢 今後さらなる飛躍が期待される「ダイヤモンドヘッド」さんですが、今後の展望をお聞かせください。
鈴木 設立当初からの、私どもの夢──それは、ソフトウェアメーカーになること。そのために、強固な基盤を築き、企業としての体力をつけていきたいですね。そして将来的には、「ダイヤモンドヘッド」と言えばソフトウェアの会社だと分かっていただけるよう、知名度アップを目指したいと思います。 |