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個人事業から法人化を果たし |
| 新たなスタートを切る |
藤森 まずは社長の歩みから伺います。
野々部 活発な少年時代を過ごし、学業修了後は名古屋市の大手食品問屋に就職。そちらで約10年間勤めた後に、父が個人事業として営んでいた水産加工食品の製造を手伝うようになりました。そして、家業に入ったことを機に法人化し、『和幸』を設立した次第です。
藤森 新たなスタートを切られたわけですね。当初はいかがでしたか?
野々部 私と両親の3人で仕事をしていた初めの3年間は毎日睡眠時間が3時間ほどで、精神的にも肉体的にも厳しい時期が続きました。ただ、父と母が懸命に働く姿は私に「仕事とは何たるか」を教えてくれましたし、今も深く心に刻まれています。そして、両親が築き上げてきたこの会社をさらなる発展に導くべく労働環境を整備し、従業員を増やしていったのです。
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給食事業を通した食育を行い |
| 地産地消の土台を築く |
藤森 では、御社の具体的な業務内容についてお聞かせ下さい。
野々部 水産品をはじめとした各種食品の加工・販売を手掛けており、一般のお客様以外にも200カ所以上の給食センターに学校・産業給食を納入しています。そして、地元の素材を使って商品化し、それを地元で消費する“地産地消”をテーマに掲げ、たとえば味噌漬けであればそれぞれの地域にある地元味噌を使い、各市町村独自の味を提供するようにしているのですよ。現在、“地産地消”をテーマにした給食は8市町村に納入しているのですが、製造にあたっては栄養士さんや学校給食関係者の方々のご協力を賜りましたし、本当に感謝しています。
藤森 給食事業に進出されたきっかけは何なのでしょう?
野々部 幼いころに食べたものは、大人になってからもふとしたきっかけで食べたくなることがありますよね。そして、幼いころに食べて印象に残っているのは、「母親の味」と「学校の給食」。ですから、子どもたちが美味しいと思う給食を提供できれば、将来的に大きなマーケットにつながるのではと考えたのです。そこで、地元の食材を用いた製品を給食で提供するとともに食育活動も行うようになったのですよ。
藤森 自分が生まれ育った土地でできたものを戴くのは何よりも贅沢ですし、健康にもつながると思います。ただ、近年はアレルギーを持つお子様も増えていますし、大変な面もあるのでは?
野々部 ええ。ですから製品を作る際には、子どもたちや栄養士さんの意見も参考にしながら仕上げていきます。また、アレルギー体質の子どもたちには素材を代えた別メニューを提供しており、極端なことを言えば、たとえ1個でもご注文をお受けしているのですよ。
藤森 では、子どもたちは安心して美味しい給食が食べられるのですね。給食用の製品作りで心がけておられることは?
野々部 自分の子どもに食べさせる気持ちで作ることです。そうすれば自ずと責任感が芽生え、仕事での雑な部分がなくなるのですよ。また、近年は食品に対する信頼感が揺らいでいますので、子どもはもちろん親御さんに対しても給食に使用している素材の情報を積極的に発信するようにしています。
藤森 そうして作り上げた製品が子どもたちから「美味しい」と言われたときは、喜びもひとしおでしょうね。それにしても、お話からはとても順調に事業を展開しておられる印象を受けます。
野々部 我々の仕事は、どちらかというとニッチな分野。しかし、だからといって何か特別なことをして歩んできたわけではありません。ただ目の前の仕事に対して真摯に取り組み、それを一つひとつ積み重ねてきた結果だと思います。
藤森 従業員教育において大切にされていることは何でしょう?
野々部 以前は、厳しく接して叱咤激励することが従業員のためになると考えていましたが、それだけでは人も会社も大きくならないということに気づいたんです。だからこそ皆が楽しんで働くことができて、互いに助け合いながら知恵を出し合える職場環境を整備するようにしています。その上で、各々が自分たちの明確な目標を掲げ、それに向かって毎日少しずつでもステップアップしていけば、自ずと会社の雰囲気も良くなってくると思います。そして、それが会社の土台となり将来的な発展に結び付くのです。
藤森 最後にこれからの展望を。
野々部 商品を循環させることによって地域を活性化させる“地産地消”にさらに取り組んでいきたいと考えています。その一環として、現在は地元の養護学校の現場研修を受け入れるなど、自治体や教育機関、団体との協力関係を構築しているのですよ。また、地域にある休耕地を利用して野菜を作り、製品化する事業にも今後は力を入れていきたいですね。そして、最終的には地元の素材を活かして製品を作り、それを作るために地元の人を雇用し、地元の方に消費してもらうという流れを確立できればと思います。
藤森 地域を“和”で結び、それで人々を“幸せ”に導く──まさに『和幸』という社名を体現しておられますね。これからも是非その取り組みを続け、地域活性化の中心を担って下さい。 |