穂積 まずは利行社長の歩みから。
利行 地元出身で、学業修了後は大分市内の建築会社に就職。その後、実家に戻り、大工職人だった父のもとで修業するようになったのです。かつてはビル建築にも興味を持っていましたが、修業を重ねる中で、やはり私には木造建築が合っていると実感しましてね。以来、木にこだわった住宅を追求しています。
穂積 社長も職人として経験を積んでこられたのですね。
利行 修業期間は厳しかったですね。最初の10年は叱られるのが仕事のようなものでしたから(笑)。『イッシンホーム』を立ち上げ、経営者となった現在も一職人として現場に立っています。
穂積 独立を決意された理由とは?
利行 ものをつくることが好きだったので、家づくりに携われるだけで満足していました。しかし、いくら技術があっても「待ち」の状態では仕事は入ってこない。また、大手企業の台頭などにより、地元業者が少なくなっていくことに危機感を覚えるようになりました。そこで自らが前に立って、地域密着型の事業を進めていこうと『イッシンホーム』の設立を決意したのです。お客様と顔の見える関係で、お互いの気持ちが伝わる家づくりがしたかったというのも理由の一つです。また、屋号の「イッシン」は、地域の小学校の石碑にある「一村一心」という言葉に由来していましてね。「一村一心」の精神は、私の思いにも共通しています。その共通する理念とは、「お客様や職人・スタッフ、関連業者の方々と、一つの心で真心を込めて一つの家をつくりあげたい」というものです。地元の人が、地元で働けるようになるなど、地域が一つとなって活性化が図れるようになれればと願っています。
穂積 実際に独立していかがですか。
利行 時代が求めるニーズは常に変化しているので、それらを的確に捉えることはどの時代においても難しいですね。
穂積 こちらの特徴について。
利行 「職人集団」であることです。木造のプロフェッショナルとして、図面上だけではなかなか把握できない、強度や構造に関する提案も行っています。
穂積 木造にこだわっているというだけあって、どの家も木がふんだんに使われている印象を受けます。コストが高くなってしまうのでは……?
利行 決してそんなことはありませんよ。通常では隠してしまう柱を表に出すなど、木を最大限に活かすよう工夫しています。そのため構造上からみると、他の建材とコストはさほど変わりません。むしろ木材を上手に選ぶことでコストを下げることができるんです。そうした木造住宅の利点を多くの方に知ってもらい、「高くて手が届かない」というイメージを払拭できればとも考えています。
穂積 職人さんから直接家の説明を受けられれば、お客様も安心ですね。
利行 お客様には現場を直接見ていただくようにしています。実際に住み心地のよさを体感してもらい、当社の技術を確認していただいた上で、マイホームの方向性を一緒に検討しています。また、このたび開設したショールームでは、各種住宅の装備品はもちろん、住宅各部の構造を見ることができる「構造モデルスペース」を設けました。内装はお金をかければよいものが揃いますが、やはり住宅にとって重要なのは構造。当社ではその構造部分を、確かな技術をもって取り組んでいるということを見ていただければと考えています。
穂積 スタッフの方には普段、どのようなお話をされているのでしょう?
利行 私たちは一生にたくさんの家をつくるが、ほとんどのお客様にとっては一生に一度のこと。そのことを常に意識してお客様の立場で家づくりを手掛けてほしいと話しています。スタッフは皆頑張ってくれており、自信と誇りを持って取り組んでくれています。
穂積 意欲的に取り組むことが、技術を向上させる上でも重要ですよね。では、最後に今後の展望を。
利行 当社が目指しているのは「子育て世代の健康住宅」。今後も地元で安心して暮らせる空間を提供するべく邁進していく構えです。そうした当社の活動を地元の方々にもっと知ってもらえるように努力していくことが目下の課題です。また、この国東は過疎化がますます進んでいる状態。住み慣れた町で理想のマイホームを建てるという夢をお手伝いすると共に、事業の枠を超えた地域活性化への取り組みも積極的に行っていきたい。子どもたちがこの地で育ち、将来への希望を持って暮らせるような町にしていきたいですね。
穂積 私も応援しています。 |