羽田 本誌の2006年6月号で、渡嘉敷勝男氏が御社に伺いました。田崎社長もぐっと貫禄を増され、会社の規模も急成長を遂げられているそうで、本日はお会いできるのを楽しみにしていたんです。
田崎 ありがとうございます。あれからあっという間でした。あの頃は自宅を事務所としていましたので、事務機器の音を聞きながら眠っていたのを、今でもよく覚えています。今は事務所を新たに構え、安眠できるようになりましたよ(笑)。当時4〜5人だったスタッフも、30人近くに増え、つい先日も新人が入ってきました。
羽田 勢いのある会社は空気が違いますね。設立されてから、もうどれくらいになられるんですか?
田崎 2006年1月にスタートしましたので、もうすぐ2年ですね。仕事を終えてみんなを帰し、この広い事務所に一人になった時、変化し続ける私を取り巻く環境に、私自身が取り残されているような気持ちになるんです。
羽田 それだけ急速に成長を遂げてこられたということでしょう。田崎社長は「兄貴分」との評判を、周囲の方々からお聞きしました。
田崎 嬉しいですね。私には人とのお付き合いの中で心がけていることがあるんです。例えばお客様が、「予算がないんだが……」と相談に来られたとしましょう。「その予算では、うちでは引き受けられません」と突っぱねてしまうようなことは決してしません。「予算がないなりに、何とかしようじゃないか」──それが「ゴア」なんです。予算が足りない会社は、ほとんど例外なく資金面でお困りです。そんな方々を助けてさしあげるのが、人情だと思っていますから。
羽田 その分、御社が困るようなことにはなりませんか?
田崎 お客様もそれを心配されます。「こちらとしては大変助かるが、社長は大丈夫なの?」って(笑)。「どんな仕事でも引き受けたからにはやり抜く。あとは全部うちに任せてくれ」と伝えるんです。私のそんな強気な姿勢が、頼られる要因になり、みなさんが私のことを兄貴分と言ってくださるようになったのかもしれませんね。もちろん会社を動かすためには資金が必要です。でも、人と人との信頼関係はお金では買えません。周囲の人と助け合い、互いの存在に勇気づけられたりしながら、会社は動かすものだと思うんです。
羽田 田崎社長から仕事をもらったことで救われた人がいるとお聞きしました。
田崎 仕事を得られず困っていた方に、当社が受けた仕事をお譲りしたんです。「一緒に飛躍していきたい、当社が回した仕事がその足がかりになれば」という気持ちでした。残念ながら、不適正な価格の仕事を当社に持ち込む業者もありますが、きっぱりお断りしています。質を落としてまで価格競争に参戦するつもりはありません。当社はあくまでも心で仕事をしていきたいですから。私は、常に正直であることを大切にしています。金額の交渉において、どうしてその金額になるのかをきちんと説明すれば、お客様は必ずご理解くださいます。話し合いの中で共に妥協点を探り、正しい仕事をしているんです。
羽田 社長のお仕事におけるスタイルを一言で言うと?
田崎 「笑いを売る」ですね。つまり、ビジネスの話をする際、笑い合いながらお客様との距離を縮めていく。冗談を交えてお客様と笑い合い、本題に入る頃にはお客様とすっかり意気投合し、あっという間に商談が成立するんです。
羽田 社長のお人柄の為せる技ですね。では最後に、今後について。
田崎 当社の業績は急激に伸長し順調ですが、色んなことを見つめ直し反省する時期にさしかかっていると思うんです。2008年は反省の年。毎年のことですが、新年を迎えるにあたって、過去を振り返ることを大切にしたい。会社が歩む上で、良いことばかりではなく、時には事業が後退することもありましたし、業績が激しく落ち込んだ時期も。でも、マイナス面を反省することでチャンスに転換し、苦境をバネに前を見続け、当社は今日を迎えられたんです。一分一秒、毎日、毎月、そして毎年……時間を大切に生きることで、確かな足跡を残していきたいと思います。 |