具志堅 はじめに『玉野化成』さんの業務内容についてお聞かせください。
玉野 工業用プラスチック製品の製造を手掛けています。ガソリンポンプ廻り部品や排気バルブハウジング、スロットルセンサハウジングなどの精密樹脂成形品、給湯器用バルブ部品などの成形から組立までを一手に引き受けているのですよ。特に自動車用ウォッシャーノズルは、得意先部品メーカーを通じて大手自動車メーカー数社に納入し、国内シェア70パーセント以上(当社推定)を誇る当社を代表する製品の1つです。
具志堅 国内シェアをそれだけ占められるとは、優れた製品なのですね。玉野社長は、なぜこの業界を選ばれたのですか。
玉野 父が当社の創業者でして、いずれ経営を手伝うつもりでいたのです。大学卒業後は自動車販売の営業職に就き、自動車についての専門知識を身につけました。その後、『玉野化成』を継ぐべく機械専門学校へ通い、機械製図などのスキルを習得。当社へ入社した後も、営業と製造の経験を活かし、ほとんどの部署を経験しました。
具志堅 社長に就任してからは、いかがでしたか。
玉野 全社員を、私一人が支えなければならないというプレッシャーは想像以上でしたね。一社員として業務に従事していたころとは、異なる目線が必要だと気付かされました。社長職を引き継ぐ時に、先代から経営者としての心構えを教わったのですが、その中で「経営者とは孤独な存在」と言われたのです。実際に就任してみて、その言葉が身にしみる場面が多くありました。
具志堅 精神的に厳しい業務なのですね。
玉野 会社は社員一丸となって支えるものですが、最終的な決定は社長である私が下さなければなりませんから……。状況に応じた的確な判断を行うためには、勇気、決断力、実行力が必要。それら実力を身につけ、最良の判断を下すにはより多くの情報が必要です。ですから、常にアンテナを張り、判断材料を可能な限り収集するようにしています。
具志堅 その的確な判断が、『玉野化成』さんをここまで成長させてきたのですね。経営を行っていく上で、重要視しているのはどんな点ですか。
玉野 「新たなチャレンジを行っていくこと」です。時代は急速な変化を続けており、以前と同じやり方ではすぐに淘汰されてしまいます。時代に対応したチャレンジを行う──業界の流れの一歩先を読み、常に新たな可能性に挑戦し続けていきたい。顧客ニーズに対応するためにも、技術力の向上を図り高品質・短納期を実現していかなければ。
具志堅 では、社長として新たに取り組まれたことは何でしょうか。
玉野 まず、品質マネジメント規格であるISO9001や環境マネジメントシステム規格ISO14001の認証を取得しました。これら規格の認証取得は、社会的信用にもつながりますからね。また、人事・労務関連や昇級昇格など規定の整備も行い、労働環境の改善を徹底。さらに新工場を建設し、これまで3カ所に分散していた生産体制を一カ所に集中させることによって、作業効率や会社全体のチームワークの向上につながっています。
具志堅 着実に成果を上げているのですね。社員の方々も働きやすいと感じておられることでしょう。
玉野 社員にとって魅力的な企業でなくては、将来的な発展はあり得ませんからね。優秀な人材が入社し、末永く働きたいと思える職場づくりに注力しています。愛知県で自動車産業は景気の要。大手自動車メーカーも多く、優秀な若手は有名メーカーに集中しがちです。当社のような中小企業にも目を向けてもらえるよう、福利厚生の充実を図り、職場環境を整えて仕事のやり甲斐を大きくしていくなどの改革を進めることで、後進を育てていきたいと考えています。
具志堅 企業の成長に、人材育成は欠かせませんからね。それでは最後に、今後の目標をお聞かせください。
玉野 魅力ある職場環境・社内体制を整え、優秀な人材をどんどん育成していきたいですね。人材・経営共に盤石な体制を築き上げ、企業価値を高めていきます。今後も堅実かつ大胆な経営展開を行うことで、より良い企業へ成長させていく所存です。 |