村野 はじめに、萩野社長のこれまでの歩みからお聞かせください。
萩野 以前は京都の料亭『濱登久』で板前をしておりました。しかし、どうにも才能がないように感じていて……他に何か自分にできる仕事はないかと考え、「木の芽」を栽培することにしたのです。
村野 「木の芽」とは?
萩野 山椒の若芽のことです。日本料理の飾り付けに使用されることが多いのですが、とても傷みやすい食材でしてね。板前時代は、納得のいく状態の木の芽を手に入れるために苦労しました。そんな経験をもとに、高品質の山椒を新鮮な状態で提供しようと、当社を立ち上げたのです。
村野 同じ“食”でも分野が違いますよね。始めてみていかがでしたか。
萩野 確かに、営業などの業務は未知の世界でしたが、何とかものにしようと夢中でやってきましたね。その甲斐もあり、業績も少しずつ伸びていきました。しかし、しばらくすると料理の飾りを省く料亭が増えはじめ、業績が頭打ちになってしまったのです。打開策はないかと、板前だったころの経験を思い出し、どんな商品がお客様に喜ばれるかを考えました。そして、野菜の加工を請け負うことにしたのです。
村野 どのような加工をしておられるのですか。

▲『イミズ』が手掛ける、色とりどりの
細工野菜…… |
萩野 全国から新鮮な野菜を取り寄せ、お客様のご要望に合わせた加工野菜や細工野菜を提供しています。ズッキーニを細工した“木の葉”や、百合根の“桜の花びら”、にんじんの“紅葉”……。年間で3000アイテムほどを、社員が手づくりで仕上げていくのですよ。特に細工野菜は技術が必要な上、手間がかかるため人手が足りない調理場には、とても喜ばれるのです。
村野 板前としての経験から、この業務に着眼されたのですね。
萩野 「もっといい料理を提供したい」─料理人なら誰でも思うものです。しかし、足りない時間を補うことはできませんから、くやしい思いをしている職人は多いと考えまして。当社が野菜加工業務を引き受けることで、料理の見栄えをよくし、お客様にさらなる感動を与えることができるのですよ。
村野 どんなお客様と取引をされているのでしょうか。
萩野 「和倉温泉・加賀屋」さんや富山「雨晴温泉・磯はなび」さんなどの旅館、北陸を中心に店舗展開を行っている「芝寿し」さん、東京の「明治記念館」さんなどの料理店とお取引きさせていただいています。
村野 どれも一流のお店ばかりですね!
萩野 当社は地域一番店にのみ食材を卸すことで、自社商品の価値を上げるよう努めているのです。無論、それら一流店にふさわしい技術、品質が求められますから、細心の注意を払って業務に取り組んでいます。
村野 県外の取引先も多いようですが、運送方法はどうなっているのでしょう?
萩野 関東、関西圏は午後にトラック便に乗せれば、翌朝には到着します。九州でも翌々日の朝には配送できますので、県外だからといって配送に問題はありません。また、新鮮な野菜を使用することで、商品の品質は保たれています。
村野 では業務上、特に力を入れて取り組んでいることは何ですか。
萩野 ゴミ処理の対応ですね。野菜の加工は、各々の店で手掛けると生ゴミが大量に出てしまうのですが、当社は生ゴミを肥料業者に回収してもらい、リサイクルを行っています。近年、飲食業界ではゴミの削減を求める条例が制定されていますので、このような点からも、取引先の方々のお役に立っていると自負しているのですよ。
村野 野菜加工を一手に引き受けることによって、様々なメリットが生まれるのですね! それでは、今後の展望をお願いします。
萩野 現在、当社は野菜の一次加工を手掛けていますが、今後はゆでる、調理を施すなどの二次加工までを手掛けていきたいですね。すでに調理した商品を出荷していることもあり、前向きに取引先へ提案していく構えです。少しずつでも確実に業務を広げ、一人でも多くのお客様に喜んでいただけるよう、社員一丸となって努力して参ります!
村野 私も応援しています。本日はありがとうございました。 |