大西 まずは御社の沿革から。
瀧 大正3年に祖父がクリーニング店を立ち上げ、その後は父が後を継いで、「浜浦クリーニング商会」を設立しました。父は組合の理事を務めるなど、業界全体の発展を考えるような人でしたね。
大西 会長の歩みをお聞かせ下さい。
瀧 学業修了後すぐに2年間奉公に出まして、その後は父と一緒に働いていました。しかし、組合の方針を最優先する父と、規模の拡大などを望んでいた私との間に溝ができてしまいまして。それで私は家を出て、自分でクリーニング店を始めたのです。しかし、父が他界した際にその偉大さを参列者さんから聞いたことがきっかけで、父が貫いていた質の高いクリーニングを受け継ぐことを決意したのですよ。普通なら一回で終わらせる洗剤洗いやすすぎ作業を複数回にわたって行う姿には「馬鹿正直」と言われることもありますが、当社の伝統としてこの姿勢は守り続けていきたいですし、息子達にも伝えていきたいですね。
大西 社長はどういった経緯で家業に入られたのですか?
瀧(晴) 生まれたときから身近にこの仕事がありましたし、子どものころから店を手伝っていましたので、自然とこの道に進みました。
大西 こちらならではの取り組みがあるとお聞きしていますが。
瀧 障害を持つ人を雇用していることでしょうか。私自身、障害というほどではないのですが、子どものころは人と上手く話すことが出来なくて悩んでいたんです。しかし、ある病院の先生との出会いから快方に向かったのですよ。そのとき先生に誓った「将来は障害者を助ける!」という目標を実現させたというわけなんです。現在、当社の約半分の社員が何らかの障害を抱えながら頑張ってくれていまして、ありがたいことに東京都や雇用開発協会から表彰状なども戴いております。
大西 そうなんですか! 仕事上で大変な部分もあるのでは?
瀧 確かに大変な部分もありますが、皆一生懸命頑張ってくれますし、それが社会貢献につながっていると思えば全く苦ではありませんね。
瀧(晴) 現在はここの他に別会社としていくつか工場も所有していまして、より多くの人が働ける体制になっているんですよ。
大西 では、お二人それぞれから今後の展望をお願いします。
瀧(晴) 祖父や父の方針を受け継いで丁寧なクリーニングを行っていくと共に、少しでも早く父から認められるように成長して、当社をより高みへ導けるような経営を行っていきたいと思います。
瀧 先ほど別会社があると息子が言いましたが、今年会社を3分割して3人の息子をそれぞれの後継社長としたんですね。現在、各地域の特徴を活かして経営を行ってくれていますが、これから3年間は私が会長として皆を見守りながら、福祉と経営を両立させた安定経営をサポートしていく構えです。そして本格的な引き継ぎのときがくるまでにより強固な基盤を作り上げて、良い形でバトンタッチしたいですね。
大西 これからも頑張って下さい! |