有限会社 テクノユース
代表取締役 大柴 賢司

足跡:東京都出身。浅草の下町で育ち、学業修了後は建設業界に飛び込み、製図等を学んでいく。その後、大規模なプラント工事に参加したことからプラント設備の世界に転身。周囲の信頼を集めて「テクノユース」を創業した。

…………………………………………………………………………

自らの精神力を磨き続ける
学業修了後、社会に出たその時から独立独歩で歩みを重ね、自分の会社を興した大柴社長。社長が繰り返し口にする「頼れるのは自分の精神力だけ」という言葉には、これまでの歩みが培った重みがある。「悪いこともいいことも、全ての一歩が将来に繋がっていく」。そう考える社長は、どんな瞬間も自分の糧にしたいと考えている。すべての一瞬を大切にする歩みこそが、社長の人生を豊かにすることに繋がっている。

…………………………………………………………………………

プラント設備・機械・鉄構工事・設計施工管理を手掛ける「テクノユース」。大手企業、プラントエンジニアリング会社をはじめ、多くの取引先に支えられて20代を主力とした若いスタッフが仕事に邁進している。一人ひとりのスタッフの頑張りが、会社の成長につながる─その思いを胸に、スタッフそれぞれが自分を磨いていることが、固い信頼基盤を築き上げている。


石橋 まず、社長ご自身の歩みから簡単に伺っていきたいのですが、ご出身は地元ですか。

大柴 いえ、生まれも育ちも浅草です。学業修了後は建築業界に入り、図面を引く仕事を始めました。すぐにフリーという立場で仕事を請け始め、色々な会社とお付き合いを深めながら私自身も勉強していきました。

石橋 では、どうして現在のプラント業界に入られたのですか?

大柴 建設会社に従事していた頃、イラクの火力発電所の建設工事の一員として仕事に携わったことがありましてね。プラントそのもの、発電機そのものは「三菱重工業」のものを使うということで、同社と連携して仕事に携わっていたのですが、次第にプラント設備に興味を持つようになってきたのです。それまで私は設計図など、人が使う建物─「外側」を扱ってきましたが、「入れ物よりも、中に入るものの方が面白いのではないだろうか」と考えるように。そこでプラント設備を中心に仕事を手掛けることを決め、横浜にある大手プラントエンジニアリング会社に転職。そちらで数年間お世話になり、その後、各企業からお仕事をお請けするようになりました。そしていつのまにかという感じで会社組織の形を取るようになり、「テクノユース」として組織を整えて今日に至ります。

石橋 では、現在は色々な装置の設計や工事を担当していらっしゃるのですか。

大柴 はい。設計から工事の計画、営業も含めて何でもといった感じです。当社のスタッフ6〜7人のほか、弊社の何社かの協力業者に仕事をしていただいていますから常時20〜30人で動いています。

石橋 結構な大所帯ですね。お仕事で苦労される点は?

大柴 こういったプラント設備の仕事は、ガソリンの値段や使用量に左右されます。冬には皆さん暖房を使われますから、その分3月から9月までは非常に忙しい時期が続きます。そういった繁閑の差を視野に入れ、経営の舵取りをしていくのが難しいですね。ただ、仕事において影響を受けるのは日本国内の経済状況だけではありません。プラント設備においては、国際経済、特にアラブ諸国の石油価格の影響を強く受けるのです。そういった意味で、常に世界経済にアンテナを張っていることが必要です。

石橋 海外でのお仕事もおありなのですか?

大柴 はい。以前勤めていたところでは、イスラム圏で仕事をしたこともあります。国によってはアルコールは一切飲めなかったり、肉類が食べられなかったりと様々な規制がありますが、世界中、どこの国にも個性があります。その一つひとつを苦労と捉えていては、仕事はできません(笑)。現地の風習を知り、柔軟に自分を合わせていくことで学べることはたくさんありましたよ。

石橋 現在、人材育成において大切にしていらっしゃることは?

大柴 「覚えさせる」のではなく、ある程度自由な枠の中でのびのびと仕事をしてもらうことを大切にしています。自分で考え、方法を模索してこそ人は伸びることができますから。私は経営者として、仕事をするための基盤を整えるのが仕事。社内には20代の若いスタッフも多いですから、能力と可能性を伸ばせる職場環境を作っていきたいですね。
 また、仕事ではお金やものに頼ることができません。まっすぐに生きていくのに必要なのは強い精神力です。そのことは、よくスタッフに話しています。頼りになるのは自分自身─一人ひとりがそういった気持ちで努力を続けることが、ひいては会社全体の成長につながります。そして、もし会社に何かがあっても、自分自身の技術力があれば、どこででも生きていける─。皆には、「独立した個人」として技術力を磨いてもらいたいですね。

石橋 非常に懐の広いお考えをお持ちですね。では、今後の抱負をお聞かせください。

大柴 特別に「抱負」と掲げていることはありません。これまで歩んできた流れがあって、それが先に繋がっていく。その繋がりの中で、様々なことを学びながら日々を味わって成長していきたいですね。

石橋 これからも頑張ってください。本日はありがとうございました。

……よい意味での利己主義が強い企業をつくる……

▼「今を精一杯生きる」というのが、大柴社長の人生におけるテーマだ。「人生には、良い時もあれば悪い時もある。ですから、たとえ悪い時があっても『自分の意思では経験できないことなのだ』と味わい、糧として生きていってほしいのですよ」と社長。何事であっても、様々な方面からのアプローチで楽しもうとすることが、社長の人生を豊かにしているのだ。▼その生き方を、社長はスタッフにも伝えている。苦労ですらも、「今しか味わえない」と思えば、学ぶことはたくさんある。よい意味での「利己主義」が、個人の成長へ、やがては企業の成長につながっていくのだ。

対談を終えて

「頼れるのは自分自身の精神力のみ─大柴社長が何度も口にされたその言葉に、これまでの社長の生き方そのものを見た思いがします。それは、決して利己主義というわけではありません。自分を磨くことが、仲間との切磋琢磨につながり、さらに会社全体の価値を磨くことにつながっているのですね(石橋正次氏・談)」


本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。Copyright (C) 2007, Kokusai-Tsushin Co., Ltd.