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吉沢 まずは社長のこれまでの歩みを。お生まれはどちらですか?
中荒江 福井市です。父が40年ほど前から重機関係の会社を立ち上げていたことがきっかけとなって、この業界に入りました。幼少の頃から後継への意志は持っており、自然とこちらの業界に興味を持つようになったのですよ。学業修了後、父の元で修業を始め、現場で10年ほど働いてノウハウを学んでいきました。この時の経験は、現在でも私の糧になっています。
吉沢 お父様から学ばれたことも多かったようですね。
中荒江 はい。父は非常に好奇心が旺盛で、チャレンジ精神に溢れた人でした。業務内容も、通常の業務に留まらず、ダンスホールやベビーホテルなども経営。ですから、この地域ではかなり有名人なのですよ(笑)。そのガッツや覇気からは、学ぶことも多いですね。
吉沢 なるほど。社長に就任されたのはいつ頃ですか?
中荒江 平成4年です。就任と同時に、既存の組織から脱却して業務拡充を図ろうと、「親和商事」を設立。特殊技術を生かして同業他社と差別化を図るための取り組みを始めました。そういった取り組みの結果、父の代にはクレーン作業や、クレーンのリース業が中心だった業務内容も、現在では橋を架ける工事など、特殊な技術を要する工事を手掛けるようになっています。
吉沢 どうして転換を考えられたのでしょう?
中荒江 先ほど申し上げましたが、父の代にはクレーン関係の仕事を中心に請け負っていました。ですが私は就任前から、それだけでは今後の生き残りは厳しいだろうと考えていました。今は競争が激化し、値段のたたき合いが行われている時代です。だからこそ特殊な工事ができなければ、生き残りはできないだろう、と。つまり、技術力の向上を図ることが、経営の活路を開くと感じていたのです。私自身、バブル景気もその後のどん底の景気も経験しています。つまり、天国と地獄を見たと言っても過言ではありません。そういった状況を見てきた中で、真に強い会社とは、何よりも本業を確固たるものにしている会社だという信念を培ってきたのです。そして父と異なり、あえて一つの分野に専念することを選んだのです。
吉沢 後継した後に方向転換をするには勇気も要ったと思うのですが。
中荒江 父の時代には高度成長期の波もあり、色々な事業を手掛けることに有利な条件が揃っていました。多角経営することによってどんどん会社を成長させていくことができたのです。しかし、そういった形態の会社は、バブル経済の崩壊によって多方面からの打撃を受けました。幸い当社では、その当時は私の代になっており、本業に集中していたお陰でさほど打撃を被らずに済みました。そういった経験を経て、経営とは、時代に合った方法を採ることが不可欠だと学び、さらに今後の厳しい時代には本業に専念することが必要だと学んだのですよ。
吉沢 なるほど。時代を読むことが、経営者には必要不可欠なんですね。その姿勢が、現在の発展につながっているわけですね。何でも現在御社では、北陸地方ではあまり導入されていない最先端の技術を取り入れておられるそうですね。
中荒江 ええ。新しい工法を採用することによって生じる何よりも大きな利点は、お客様に利益が生まれるということ。会社の発展は、お客様の発展の先にあります。「『親和商事』に頼めば得になる」と実感していただければ、その次の仕事にも繋がります。そういった意味で、新しい機器や技術の導入には、積極的に取り組んでいるんですよ。
吉沢 現在、従業員数は何名ですか?
中荒江 現在は深夜、福井新聞の配送業務を請け負っており、パートの人員を合わせると37名になります。若手からベテランまで幅広い層の従業員がいますよ。皆頑張ってくれていて感謝しています。
吉沢 福井県以外の地域に進出されるということは考えておられるのでしょうか?
中荒江 今のところそれは考えていないですね。あくまでも福井県にこだわり、地元に根付いて仕事をしていきたいと思っています。自分の足下を見て、こつこつと仕事を重ねていくことが、成長につながると思いますから。私の座右の銘は、強いて言うならば「忍耐」。高校時代は柔道に打ち込んでおり、その中でも忍耐の精神を学びました。仕事においても人生においても、苦しい時というのは必ず訪れます。その時に、忍耐の言葉を忘れずに頑張り続ければ、いつかきっと報われると信じています。これからも従業員一丸となって頑張っていきたいですね。もちろん、家族の支えも私にとってとても大きいもの。特に妻は、結婚前は全日空の客室乗務員をしていたのですが、現在は事務職に従事してくれており、公私ともに私を支えてくれています。長男も、「お父さんと同じ仕事をしたい」と嬉しいことを言ってくれています(笑)。これからも周囲の皆と力を合わせ、会社成長に努めていきたいですね。
吉沢 強い信念をお持ちなのですね。それに、周囲の方々との絆も…。今後のご活躍がとても楽しみです。ぜひ頑張ってください!

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