親和商事 株式会社
代表取締役社長 中荒江 隆一

人生における座右の銘は? という質問に、「強いて言うなら『忍耐』ですね」と微笑んだ中荒江社長。
忍耐──その言葉は、社長にとって、今日や明日という狭義ではない。1年、10年、そして一生という長い期間において、成功を手にするために必要不可欠な要素なのだ。
今が苦しくても、一歩一歩踏みしめて歩き続ける。その堅実な一歩こそが、いつか100歩になり1000歩になる、そしてその積み重ねがいつか成功を生む。経営観、そして人生観とも言える信念を柱に、社長率いる「親和商事」の道は続いていく。

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PRESIDENT PROFILE:福井市出身。重機関係の会社を経営する父の背中を見て育ち、後継への意志を育てていく。学業修了後、父の元で修業を始め、現場作業に10年間ほど従事する。その経験を以て平成4年に代表取締役社長に就任。同時に「親和商事」を設立し、会社成長の基盤を整える。経済成長の波に押され、多角経営をしていた父の方針とは一転し、不景気にも揺るがない経営の支柱をたてるため、一つの方面に突出した企業体制を構築。会社設立と同時に技術力の向上に尽力し、他にはできない特殊工事も手掛けられるように。さらに環境対策にも特化し、早い時期から排ガス基準をクリアした設備を導入。そういった数々の取り組みが奏功し、現在福井県を中心に揺るぎない信頼を築いている。

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独自の道を見つけて歩を進める
他にはできない技術を持ち、足下を見つめて一歩ずつ進む──
そんな堅実な姿勢で会社成長に努めてきた「親和商事」の中荒江社長。厳しい時代だからこそ大きく手を広げるのではなく、目の前に集中して特化分野を持つことが必要だというのが、社長の経営観だ。現在土木工事業、とび、舗装工事業を手掛ける「親和商事」では、同業他社が多い中で、他に先んじた環境への取り組みに尽力し、専門性の高い工事技術でその地歩を固めている。

吉沢 まずは社長のこれまでの歩みを。お生まれはどちらですか?

中荒江 福井市です。父が40年ほど前から重機関係の会社を立ち上げていたことがきっかけとなって、この業界に入りました。幼少の頃から後継への意志は持っており、自然とこちらの業界に興味を持つようになったのですよ。学業修了後、父の元で修業を始め、現場で10年ほど働いてノウハウを学んでいきました。この時の経験は、現在でも私の糧になっています。

吉沢 お父様から学ばれたことも多かったようですね。

中荒江 はい。父は非常に好奇心が旺盛で、チャレンジ精神に溢れた人でした。業務内容も、通常の業務に留まらず、ダンスホールやベビーホテルなども経営。ですから、この地域ではかなり有名人なのですよ(笑)。そのガッツや覇気からは、学ぶことも多いですね。

吉沢 なるほど。社長に就任されたのはいつ頃ですか?

中荒江 平成4年です。就任と同時に、既存の組織から脱却して業務拡充を図ろうと、「親和商事」を設立。特殊技術を生かして同業他社と差別化を図るための取り組みを始めました。そういった取り組みの結果、父の代にはクレーン作業や、クレーンのリース業が中心だった業務内容も、現在では橋を架ける工事など、特殊な技術を要する工事を手掛けるようになっています。

吉沢 どうして転換を考えられたのでしょう?

中荒江 先ほど申し上げましたが、父の代にはクレーン関係の仕事を中心に請け負っていました。ですが私は就任前から、それだけでは今後の生き残りは厳しいだろうと考えていました。今は競争が激化し、値段のたたき合いが行われている時代です。だからこそ特殊な工事ができなければ、生き残りはできないだろう、と。つまり、技術力の向上を図ることが、経営の活路を開くと感じていたのです。私自身、バブル景気もその後のどん底の景気も経験しています。つまり、天国と地獄を見たと言っても過言ではありません。そういった状況を見てきた中で、真に強い会社とは、何よりも本業を確固たるものにしている会社だという信念を培ってきたのです。そして父と異なり、あえて一つの分野に専念することを選んだのです。

吉沢 後継した後に方向転換をするには勇気も要ったと思うのですが。

中荒江 父の時代には高度成長期の波もあり、色々な事業を手掛けることに有利な条件が揃っていました。多角経営することによってどんどん会社を成長させていくことができたのです。しかし、そういった形態の会社は、バブル経済の崩壊によって多方面からの打撃を受けました。幸い当社では、その当時は私の代になっており、本業に集中していたお陰でさほど打撃を被らずに済みました。そういった経験を経て、経営とは、時代に合った方法を採ることが不可欠だと学び、さらに今後の厳しい時代には本業に専念することが必要だと学んだのですよ。

吉沢 なるほど。時代を読むことが、経営者には必要不可欠なんですね。その姿勢が、現在の発展につながっているわけですね。何でも現在御社では、北陸地方ではあまり導入されていない最先端の技術を取り入れておられるそうですね。

中荒江 ええ。新しい工法を採用することによって生じる何よりも大きな利点は、お客様に利益が生まれるということ。会社の発展は、お客様の発展の先にあります。「『親和商事』に頼めば得になる」と実感していただければ、その次の仕事にも繋がります。そういった意味で、新しい機器や技術の導入には、積極的に取り組んでいるんですよ。

吉沢 現在、従業員数は何名ですか?

中荒江 現在は深夜、福井新聞の配送業務を請け負っており、パートの人員を合わせると37名になります。若手からベテランまで幅広い層の従業員がいますよ。皆頑張ってくれていて感謝しています。

吉沢 福井県以外の地域に進出されるということは考えておられるのでしょうか?

中荒江 今のところそれは考えていないですね。あくまでも福井県にこだわり、地元に根付いて仕事をしていきたいと思っています。自分の足下を見て、こつこつと仕事を重ねていくことが、成長につながると思いますから。私の座右の銘は、強いて言うならば「忍耐」。高校時代は柔道に打ち込んでおり、その中でも忍耐の精神を学びました。仕事においても人生においても、苦しい時というのは必ず訪れます。その時に、忍耐の言葉を忘れずに頑張り続ければ、いつかきっと報われると信じています。これからも従業員一丸となって頑張っていきたいですね。もちろん、家族の支えも私にとってとても大きいもの。特に妻は、結婚前は全日空の客室乗務員をしていたのですが、現在は事務職に従事してくれており、公私ともに私を支えてくれています。長男も、「お父さんと同じ仕事をしたい」と嬉しいことを言ってくれています(笑)。これからも周囲の皆と力を合わせ、会社成長に努めていきたいですね。

吉沢 強い信念をお持ちなのですね。それに、周囲の方々との絆も…。今後のご活躍がとても楽しみです。ぜひ頑張ってください!



地歩を固める鍵は設備投資にあり

▼土木工事業に従事する会社にとって、避けて通れないのが環境問題だ。環境に対する意識が高まってきた今、自然に負荷のかからない機器を使うことは必須条件となっている。数年前まではそれほど厳しくなかった世論も、今は企業倫理として声高に環境保護を唱えるようになり、その取り組みによって企業の製品を選ぶ消費者も多い。「親和商事」にとっても、社会の波は例外ではない。ただ、同社では世論が高まる以前から、環境問題に取り組んできたという。
▼「当社では他社に先駆けて、排ガス基準をクリアした設備を導入しました」と中荒江社長。そのため、排ガス規制が導入されてからの業務転換も、スムーズにいったという。法整備や規制によって、様々な点で環境に配慮した取り組みを行う業者には支持が大きい。法が整備されてからいざ業務を転換しようとしても、設備投資は簡単にできるものではないため、流れに乗り遅れた企業も少なくないという。まさに、他社の追随を許さない圧倒的な力を誇っている現在の同社の力は、「先を読む力」に由来するのだ。その力を以て、今後同社がどこまでその歩を進めていくのか、期待が高まる。

対談を終えて

「堅実さ、そして先を読む目。中荒江社長のお話を伺って、経営者に必要なものを改めて考えさせられました。地歩をしっかりと固めておられる社長なら、今後、『親和商事』さんを益々の成長に導いていかれることでしょう」(吉沢京子さん・談)


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