守田靖昭事務所
土地家屋調査士 守田 靖昭

今日までの守田先生の歩み──
昭和43年、北九州市小倉北区で誕生。実家が洋服店を営んでいたため、学校卒業後はアパレル関係の経験を積もうと、大阪で働くように。衣料業界の不振を受け、技術職に注目するようになった頃、福岡市での転職活動の際に偶然目に入った測量事務所で働くようになり、測量士と土地家屋調査士の資格を取得。

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●人の心にある土地の意味を考える
地権者一人ひとりの土地に対する意識は異なる。ある人にとっては土地は、土地というスペース以外の何ものでもない。けれど、ある人にとっては先祖から受け継いだ精神的な拠り所、あるいは人生の中で重い意味を持つ場所ということもある。人の心にある土地の意味──仕事の上では、それを常に意識して、誠意ある対応に努めているという守田氏。依頼者の身上を十分に汲み取ると共に、正確な業務を追求し続けることでスペシャリストとしての責任を全うしている。

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土地の境界の精査や境界線を特定し、地目や面積などを明らかにしたり、登記業務を手掛ける土地家屋調査士の業務は、一般的に人の目に触れることは少ない。けれど、大切な不動産という財産を守る重要な職務を帯びている。「誠実な姿勢と確実な調査を追求したい」と語る、守田氏の信念に迫る。

渡辺 守田先生の、幼少の頃の夢は何ですか?

守田 俳優を目指していました。小学校の卒業文集にもそう書いたのですが、なんと「S・マックイーンのような映画廃優になりたい」と書いていまして…。“俳優”を“廃優”と間違っていた時点で、夢破れていたと言えますね(笑)。実家が洋服店を営んでいたことから美容学校に進学し、卒業後、大阪に行きました。アパレル業界で修業を積み、舶来ものを取り入れながら家業を大きくしようと考えていたのですが、次第に業界全体の景気が落ち込み始めたことから、違う道を考えるようになりました。特に、手に職をつけたいという思いが強くなってきたのです。

渡辺 現在の土地家屋調査士になるまでには、大きな方向転換を経験されていたのですね。では、それから転職活動を?

守田 はい。しかし、当時23歳だった私にとって、転職活動は非常に厳しいものでした。学歴も職歴もない、ただの若いだけの人間は、企業にとって使いようのない存在だということを、転職活動で痛感しましたね。経験者が優遇されるばかりでなかなか仕事が決まらないある日、偶然目に入った「栄和測量」の求人が、今の私のルーツになります。そちらでの面接では、資格や経験よりもやる気だけを問われましてね。測量の仕事に必要なことは全て、ゼロから教えてもらえることになったのです。そして実践を通して勉強を重ね、測量士と土地家屋調査士の資格を取得。現在は土地家屋調査士として独立した事務所を構えていますが、測量士としてはまだ、「栄和測量」とともに歩んでいます。

渡辺 専門職の中でも土地家屋調査士というお仕事は、「縁の下の力持ち」という性格が強く、多くの人にとって日常生活では殆ど縁がないですよね。具体的に、どういった業務を行っておられるので?

守田 確かに地味な仕事には間違いないですね(笑)。簡単に説明しますと、土地の境界線などを明確にし、土地の面積やその地目などをはっきりとさせるのが業務になります。最近では、若い頃に地元を離れた若者が、両親の逝去により相続が発生した土地の調査を依頼することなどが多いですよ。境界線などの認識が曖昧で分からず、相続問題が残ってしまうのです。塀があるなど、わかりやすい物件は問題ないのですが、故郷を離れている間に造成があったり、昔から境界線が曖昧なままの場所だと、綿密に調査する必要があります。そうなると私共の出番。資料などを基に精査し、境界線があるべき地点を提示するのです。あるべき場所に境界線を入れる──杭を入れてしまえば、安全な土地として取引もできますし、隣接する土地の所有者との紛争も、未然に防ぐことができます。

渡辺 お仕事の上で配慮されていることは?

守田 関係者の方々に納得してもらえるまでお話を続けることと、依頼者の気持ちを大切にすることです。先祖から受け継いだ土地を、ご先祖様と同じくらい大切に感じている人にとって、土地のトラブルで受けるショックはかなり強いですから、どういった場合にも、そこに関わる人の気持ちを大切にした対応を心掛けています。また、「お金に負けない」、つまり公正で誠実であるという点も、大切です。同業者間の競争が激しくなると、安売合戦に走り、仕事の手を抜くという選択肢も見えてきてしまうのです。しかし、それは絶対にしてはなりません。だから私共では「料金」ではなく、「質」を評価されてお客様に選ばれる、妥協しない業務を追求しています。現在は、およそ100年ぶりに不動産登記法が改正され、また司法制度改革の余波で、仕事の環境が変わりつつあります。今後は、常にお客様を第一に考えるという精神は忘れずに、どのような状況になっても対応できる態勢の確立を目指し、努力するつもりです。



不動産登記法改正による、変化を見据えた対応を

 約100年ぶりに不動産登記法が改正され、土地家屋調査士の世界に大きな変化がもたらされた。これまでは法務局などの登記所への申請が土地家屋調査士の主体業務であり、申請書類に間違いがないかどうか、登記官が現地調査を行うなどした上で、書類の瑕疵の有無を確認して正式な登記が行われていた。しかし、法改正後は提出された文書に詳しい書類や写真が添えられていれば、登記官による確認調査を省略できるという項目が加わったという。つまり、ケースによっては土地家屋調査士が、全ての責任を負うことになるのだ。
 「守田靖昭事務所」の守田氏は、法の改正により登記手続きが短縮され、地権者にとってメリットとなると共に、コスト削減という側面で、登記所の利益にもつながるだろうと語る。だが、同時に土地家屋調査士自身が担う責任は今後、これまでと比較にならないほど重くなる。故に守田氏は、確実な業務実現のために、そして時代と共に変化していくために、柔軟性を大切に努力を続けていく構えだ。

対談を終えて

「土地に対する所有者の心情や、積み重ねられてきた歴史をも大切にされる守田先生の姿勢は、素晴らしいと思います。役所が関わる業務はどうしても事務的な対応になりがちですが、人を主人公としたお仕事を、依頼者のために全うしようとする先生のまっすぐな姿勢に、強い感銘を受けました」(渡辺めぐみさん・談)


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