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吉沢 まずは大垣代表の歩みを。
大垣 愛媛県の西条市出身です。戦後、新幹線の父と言われた旧国鉄総裁・十河信二氏が市長を務めたところです。大学卒業後は上京して中堅ゼネコンに就職。9年後、大学の先輩に、「これからは“造る時代”から“直す時代”になる」と言われたことがきっかけで転職。15年ほどそちらに在籍して知識を重ね、建設事業に関するコンサルティングという職業に就いたのです。
吉沢 阪神・淡路大震災では、壊れるはずのなかった構造物が崩壊しました。その辺りから、土木や建設のあり方が見直されるようになりましたね。
大垣 そうですね。それに、景気対策としての地方の公共工事に積極的に取り組んできた行政は、補修に関しては然るべき手を打たなかった…そのことには、私も疑問を感じていました。補修の技術を地場の業者に提供しましたが、「技術」という目に見えないものだったことなどが弊害となりました。それを目の当たりにした私は基本から学び直そうと、高知工科大学の社会人プログラム修士生として、再勉強を続けています。
吉沢 具体的にどういった勉強を?
大垣 これまでの建設や土木といったジャンルを越え、社会システムの見直しをし、実業に貢献する学術体系を作ろうとしているのです。高知工科大学の草柳俊二教授は、国際建設プロジェクトマネジメントを専門とされています。知識を学ぶだけでなく学問を社会に結び付けるという発想が根底にあり、非常に良い勉強をさせていただいています。
吉沢 現役の大学生として勉強しながら、会社を立ち上げられたのですね。
大垣 はい。平成17年の10月に、当社は高知工科大学・建設信頼性技術センターのサテライト企業として設立しました。東京都からは、これから先有望な事業として認められ、ベンチャー支援施設を借りて活動を行なっています。所員は私と非常勤の研究員4名。大学在籍中の現在は、基盤作りの時期と位置づけています。建設事業に関するコンサルティングは、これからもニーズは高まっていくと思いますから不安は感じていませんが、いかにして技術を正確に教えられるかを今後の課題にして、自己研鑽を積んでいくつもりです。
吉沢 御社が提案されている「新建設業」とは、具体的にどういったもので?
大垣 従来の建設業に、例えば電気や機械、化学、電子、微生物などの他の業界を融合させた事業形態です。発想や目的も、より広い業域に広がる─「新建設業」の目指すものは、社会貢献度の高い公共性の強い働きなんですよ。
吉沢 既存の公共工事と違う点は?
大垣 これまでの公共工事には、地方の経済を支える役割が多分にありました。不況になると工事が発注され、建設業から潤うという仕組みです。しかし建設業とはもっと、社会システム全体として公共のために尽くすべきではないかというのが私の考え。改革は非常に大きな夢ですが、現在は草柳教授にご協力をいただいています。さらに10年スパンで計画を立て、まずは地方自治体に利用してもらえるようなモデル事業を興すことを計画中。学術者と現場の仲介者として、建設業界に楔を打ち込む所存です。

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